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2008年2月27日 (水)

RUN

 「情熱大陸」で福田健二の特集をやっていた。そう言えば福田健二を取り上げたノンフィクションが出ていたっけ。無性に読みたくなりAmazonで購入した。読んでみれば、あっと言う間に読み終わる。しかし、特に前半、電車の中で読みながら熱いものがこみ上げてきて困った。サッカーに賭ける人生。共に戦う家族。自分を信じる生き方。福田健二の生き方は確かに私の心を打ち、感動を与える。その生き方に感動を覚えるサッカー選手は少ない。

●「好きなサッカーで/世界に胸を張れる/選手になって下さい」(P9)

 たった3行の遺書を残して自殺した母。その母を求めて、母の言いたかったことを求めて、福田はサッカーを続けてきた。
 僕が福田を知ったのは、名古屋グランパスに期待の新人として入団してきた時から。当時からストライカーらしいストライカーとして評価を得ていたが、入団当初の輝きは次第に衰え、いつしか移籍し僕の意識から消えた。そしてパラグアイへ移籍したという記事を読んだ時には、静かに彼のチャレンジを応援していた。その後、メキシコを経てスペイン2部へ移籍し2年目の昨年はヌマンシアでチーム得点王の活躍をし、日本代表候補に彼の名前が挙がった時は、本当にうれしかった。
 その彼が先日の情熱大陸では、今年移籍したラス・パルナスで不調に苦しんでいるという。少年のような彼を娘とともに支える妻の姿も心を打った。ようやく出場したゲームでロスタイムにPKを得て、そしてはずした。TVはその残酷なシーンで終わった。そしてこの本が無性に読みたくなった。
 あっという間に読める簡単な本である。内容も同じことを繰り返しているに過ぎない。それでもそれを補って余りある人生がそこにある。福田のこれからの闘いも応援していきたい。そう思わせる人生だ。

●あれだけ自分を信じて打ち込める奴は日本人選手ではなかなかいない・・・物事を決して諦めない、その感覚が人と違う。逆境でも自分を信じていられる人というのは強いので、周りの人に必ず影響を与えるんです。(P99)
●ブラシの摩擦音だけが部屋の中でこだまする。シャカシャカシャカシャカ。その音に浸っていると、彼は無心になれた。部屋に差し込む光にスパイクをかざすと、「悪くない」と小声で言った。

     ・・・何となく村上春樹風で面白かったので。
●最近は、プレーすることと戦うこと、そこを勘違いしているサッカー選手がいるが、あの日本人はピッチで戦う意味を理解していると思った。テクニックだけなら、彼くらいの選手はユースにもごまんといるが、戦える選手となるとなかなかいない。(P171)
●いつもぎりぎりで、でもそれに屈するんじゃなくて戦ってきたから、あいつのプレーに感動してくれる人がいるのかもしれません。(P183)

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