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2008年10月25日 (土)

家づくりの知恵

 吉田桂二(正確には「吉」は下の棒が長い)と言えば民家建築や民家再生の第一人者。その先達が語る家づくりに関するエッセイ。特に現代的課題である「環境」をテーマに、造り方だけでなく住み方、暮らし方、生き方までを縦横無尽に書き連ねる。エッセイと言うより放言に近いかも。
 書かれている内容は特別目新しいわけではないが、吉田桂二らしい。200年住宅について思いを巡らす項は、耐久性などの物的性能を通り越し、200年愛し続けられる住宅でなければならぬ、そのための意匠や形態、間取りまで考えていくあたりは面白い。国交省の役人風情では考えてもいなかったことだろうが(もちろん私も)、真剣に考えればそうならざるを得ない。年を重ねてきただけのことはある。

●長寿命の家にする要諦は「愛すべき家にする」のが大前提でなければならぬ。(P24)
●人間の造ったものは、人間自身、完成したと思っているんだろうが阿呆な奴め、これから俺が時間をかけて入念に完成してやるのだ。よく見ておけ。(P41)
●過去の上に将来を築くのでなければ進歩は望めないという鉄則を忘却した故の失敗とみられる。創造すると息巻いてみせたところで、真の創造が行えるのは天才のみという、厳しい言葉が思い起こされる。(P101)
●桂離宮は既に350年程の歳月を経ている。これこそが200年住宅のサンプルなのではあるまいか。(P120)

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