食糧がなくなる!本当に危ない環境問題
今や日本の環境問題の第一人者といった感もある武田先生が、今度は「本当に危ない環境問題」と題して、食糧問題について書いた。アメリカ主導のバイオエタノールは、アメリカの石油政策、食糧政策から出た自国主義の産物で、地球にやさしいどころか、最貧国に飢餓をもたらす最悪のシナリオだ、ということを訴える。そしてその打撃を最も強く受けるのは、北朝鮮よりも穀物自給率の低い日本だ、と警鐘を鳴らす。
こうした着眼点はいいと思うし、第2章の「地球温暖化が食糧危機を救う!」というのも、この人の持論で許せる範囲だが、次第に止まらなくなり、「食品添加物よりも食品そのものが危ない」とか「農薬は本当に危険だったのか?」といった主張になると、ホンマかいな、という感じが否めない。
私の専門に多少は近い地震や原子力発電所の耐震設計になると、言わんとすることはわからないでもないし、大筋はまちがっていないが、筆が走り過ぎてそこはちょっと、と言いたくなる。本当の専門家ではないので、専門家ならそうは書かない、考えないという基本的な認識のズレが気になる。
この人がネットで強く否定されるのはこうした部分なんだろうなあ。一般庶民向けにTV出演や講演をしている方が合っているのにと思う。
●アメリカは、まず国内の油田を掘るのをやめて外交に走った。「外交努力」によって自国の石油を消耗せずに、他国から調達しようとしたのだ。資源というものは長期間、安定的に得ることだから、大切なことは、自分の世代の損得ではなく、子供のためにうごくことでもある。(P20)
●すべての食糧は油である、そういう時代になったのだ。(P88)
●奇人にとって貯金は良いことだし、借金は悪いことだが、国全体としてみれば、誰かが積極的に借金しないと、お金は回らないし利子もつかない。貯金に利子がつくということは誰かが借金して新しい事業を展開することであり、節約とは全く違うのだ。(P128)
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