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2010年3月

2010年3月28日 (日)

中京競馬場の見納め 改修工事に

6686 中京競馬場が3月28日の高松宮記念を最後に、2年間の改修工事に入る。中京競馬場を運営する日本中央競馬会に土地・建物を貸す(株)名古屋競馬で働く先輩の好意により、休止前の競馬場を見学させていただいた。
 日本中央競馬会(JRA)は、日本中央競馬会法に基づく特殊法人で、「競馬の健全な発展を図って馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するため」に設立されている。JRAが主催する競馬場は全国に10カ所あるが、必ずしもJRAが自らこれらの施設を所有し運営しているわけではないようだ。
 中京競馬場は昭和25年に競馬法改正により中京地区に国営競馬場が設置されることになったことを受けて、愛知県や地元金融機関等が出資して昭和27年に設立された株式会社名古屋競馬が所有している。農水省(後に日本中央競馬会)と施設賃貸借契約を締結し、昭和28年から競馬興行が行われている。
 現在のスタンドは昭和45年に建築され、その後前面がガラス張りとなった新スタンドが増設されているが、メインのスタンド棟は新耐震以前の建築で耐震性に劣ることから、今回全面的に建て替えるとともに、馬場も全面改造することとなった。
 私たちが訪問したのは最終日の前日27日だが、久し振りに朝からよく晴れ上がり、場内にも多くのファンが詰めかけていた。
6682 最初にパドックを見せてもらう。テレビで見る限りはいったいどこにあるのかわからなかったが、スタンドの裏側に小さな楕円形の広場があり、そこを次のレース出走予定の馬たちが並んで回る。ファンが群がり馬の様子を見定める。意外に簡素な造り。競馬場とは地下通路で結ばれている。
 スタンド1階には馬券売場や飲食等の各種サービス施設が整備されている。マークシートを塗りつぶしてお金とともに投票機に入れると馬券が発行される。単勝・複勝以外に枠連・馬連・馬単・ワイド・3連複・3連単とあって、何がどうなのかさっぱりわからない。説明の女性の言われるまま、適当に500円分購入するが、もとより当たるわけもない。ちなみに同行者6人のうち、当たったのは1名のみ。還元率75%というが、やはりランダムに購入しては当たるものも当たらないという点は宝くじとは違う。
 スタジオ棟の1階を馬場に向けて通り過ぎると気持ちのいい芝生広場が広がる。シートを広げおにぎりを食べる家族連れも多い。コースに沿って歩くと地下道があり、くぐるとコース中央の子供広場に出る。
 「動物園に行こうか」と行って子供を連れ出し、競馬場に行くというのは昔からよく聞く冗談だが、子供広場には馬車や遊具が数多く取り揃えられ、順番待ちの子どもたちの列ができている。もっとも最大でも5分待ち程度。入場料200円を払えばすべて無料なので家族連れにはいいレジャーかもしれない。ただしおとうさんが競馬で負けなければだが。
 スタンド棟の隅に関係者用の入口があり、そこから関係者用スタンドへ案内してもらう。とは言っても、同じフロアに一般客用の観戦席があり、別室になっているだけのことである。観戦席はS・A・B・Cの各指定席になっており、屋内側で馬券投票ができ、レースは屋外席で観戦できるようになっている。1,000〜2,800円。1日ゆっくり楽しむのなら高くないと思うのだろうか。既にS・A席は売り切れになっていた。
6680 来客数は最近若干減少傾向とのことだが、平均1日25,000人程度は入場すると言う。「1人1万円として2億5千万円ですね」と言ったら、いやもっと多いと言う。75%は払い戻すわけだから、平均すればその数倍の売り上げがあるということか。今はネットや携帯でも馬券購入ができるから、それらを足せば売り上げはもっと多い。ネットで見ると、日本中央競馬会の年間馬券売り上げ収入は、2兆7600億円以上だが、年々減少しているようだ。
 野球やサッカーの観客1〜4万人程度と較べても遜色ない入場者数で、競馬が大衆レジャーとしてしっかりした地位を占めていることがわかる。場内を見て回っても、場末的な印象はそれほどない。JRAの経営方針を見ても「健全な娯楽」への意志を感じるが、毎週入り浸るというのもどういうもんか。それを言ったら野球ファンも同じかもしれないが。
 中京競馬ファンは、今後2年間は競馬の生観戦ができないのだが、その間、彼らは何を楽しみに週末を送るのか。そして新装なった競馬場を彼らはどんな思いで迎えるのか。戻ってくるのか。そして何より新競馬場はどんな姿を見せるのか。2年後、見学できる機会があればぜひ見に行きたいと思う。

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2010年3月24日 (水)

よみがえる商店街

 都市計画やまちづくりを担当していると、どうしても商店街のまちづくりに行き会わざるを得ない。しかし商店街の活性化と都市計画や街づくりは全く別物である。これは私が関わっている常滑やきもの散歩道のまちづくり活動でもたびたび感じることである。商業活性化についてアドバイスできるのは、商業コンサルタントであり、都市計画の専門家ではない。よって、商業活性化については門外漢であることを告白し、一消費者としての感想を述べるに留めることにしている。
 もっと正直に言えば、商業活性化には興味がない。時々刻々と変化する商業環境の中で、商店街の整備や活動は時間的なスパンが合わず失敗することが多いと思っている。商業活性化を目的とした商店街整備は無理だしムダだと思う。
 では何のために商店街を整備するのか。それは地域住民のためであり、地域住民が自らの必要のために自ら整備するのである。商店街が地域住民のために整備した商店街が成功するかどうかは、その内容により正否が分かれるのだと思う。
 だから本書で紹介される事例やその前に書かれた商店街再生のステップの論考は眉唾だと思っている。成功するためには本書で書かれたようなステップを踏むことは大事だろう。しかしだからといって、このステップを踏んだとしても成功するとは限らないし、このステップを踏まなくても成功はあり得る。
 また紹介される12の商店街の成功事例も、いつまで続くかわからないし、いずれも独自の状況や経緯を踏んでおり、真似することはかなわない。しかし成功事例を知るという意味では役に立つ。
 個店としてではなく商店街として活性化に取り組む必要性はどこにあるのだろうか。それが説明できなければ、いくら商店街活性化の成功事例を重ねても意味がないのではないか。そしてそこが私にはわからない。
 繰り返すが、商店街は地域住民が自らの必要のために自ら整備したときに初めて意味があり成功するのだと思う。商店主や商店街の組合員がやる限りは、ほんとうの意味での商店街活性化にはならないと思うのだがどうだろうか。逆説過ぎて、意味が伝わらないかもしれないが・・・。

●大手流通業がシェアを拡大し、メーカーとの直取引や海外生産委託、卸市場を経由しない市場取引を拡大させて、流通の中間過程を大きく変えている。端的なことは、従来、商店街等の小売業に商品を卸していた消費地に近い地場卸売業で経営が成り立たなくなっていることだ。(P39)
●お店はお客さんのためにある。商店街は地域のためにある。そのためにアモールトーワが設立された。・・・田中さんは言う。「商店街の将来は、地域に役立てる商業集団かどうかで決まる。それには単にモノを売るだけではダメ。商人一人一人がもっと努力し、地域住民から頼られるようにならなければならない。(P99)
●商店街の元気の源は個店の繁盛である。(P133)
●昭和の町の店舗は、四つの再生、すなわち「建築再生」「歴史再生(一店一宝)」「商品再生(一店一品)」「商人再生」の基本コンセプトを実践している。(P154)

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