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2010年8月22日 (日)

小海町高原美術館

 814日。お盆の週末の真っ最中。今だ続く高速道路1000円の割引制度を活用し、中央道長坂ICから国道141号を北上する。松原湖入口を左折して、松原湖畔を通り過ぎたところに小海高原美術館はあった。

Dsc01005  地上1階地下1階の建物は、駐車場から見ると、低く長いコンクリート塀があり、真ん中に入口がある。灰色の無機質なコンクリート塀ながら、格子状のスリットや植栽が壁面を飾り、また塀自体も高すぎず、意外なほど威圧感がない。

 中央に「小海高原美術館」という箱文字が置かれ、衝立の左右に開かれた入口から中にはいると、2mほど隔てた向こう側に同じような灰色のコンクリート壁。左右対称に掲示ケースが並び、右の突き当たりに美術館、左の突き当たりにレストランの入口が見える。

 まずは右側の美術館入口に向かう。自動ドアをくぐり、前室を左に入ると、エントランス・ロビーが広がる。右にカウンター。こぢんまりしたロビーに置かれた机の上に絵葉書などの美術グッズが置かれ、その先は吹き抜けとなって、外から明るい光と緑が目に飛び込んでくる。

Dsc01010  ちょうど平山郁夫展をやっており、受付の女性に「館内は写真撮影禁止です」と注意されたので、画像はなし。ロビー奥の細いながらも明るいスロープのガラス面が向かうべき道筋を示す。緑の牧草のその先はやはりコンクリート打放しの塀が左右から視線をさえぎり、塀と塀の間には高木のアイストップ。塀の上からも風に揺れる林の木々の緑が見える。光に誘われて、外部の緑を気持ちよく感じながら、スロープを下っていく。途中で折り返しつつ、重力に身をまかせていつしか地下の展示室に引き込まれている。

 平山作品はこれはこれでまた素晴らしい。青の深さ、赤の深さ、陰の深さに引き込まれる。

 19977月末開館なので、もう13年が経つが、一向に時間を感じさせない、安藤忠雄らしい作品。

 展示室を抜けると地下ラウンジがやさしく迎える。23組のイスとテーブルが置かれ、薄型ディスプレイがビデオを流す。この日は平山画伯愛用の品々が一画に展示されていた。

Dsc01019  出口へはスロープを戻るか、エレベータに乗る。スロープの途中に展示室の入口があり、展示室のフロアが次第に下る構造になっていたことがわかる。気持ちよく下りつつ作品を鑑賞する仕掛け。

 美術館を離れて、今度はエントランス通路向かいのレストラン「花豆」に向かう。地元で採れたてのふんだんの野菜を包んで食べるトルティーヤが美味しい。席に着き外を眺めると、展望台が見える。薄い屋根、薄い壁で囲まれた3段棚のような建物。レストランに向いた1面以外は全て無機質なコンクリート打放し壁に包まれている。

 レストランを出て外部を回って展望台にたどり着く。階段と踊り場しかない展望台。折り返しつつ3層を駆け上がると最上階。しかしここから見る美術館の外観は格別。

Dsc01026  細長いコンクリートの箱の手前に、円形に張り出す展示室。屋上は牧草に覆われ、また展望台も美術館本館も牧草の中に置かれている。背後には豊かな森と八ヶ岳の峯々。レストランの上に高くそびえる2本の排気筒が唯一のシンボリックなモニュメント。といってもただ高く細くそびえるばかりだが。

 今回の旅行では、続いて茅野の藤森照信作品を廻るつもりだったが、諏訪湖の花火大会のせいでこれだけしか見ることができなかった。しかしその不足を補って余りある安藤作品。気持ちのいい建物を見せてもらった。

●参考
フォトアルバム 「小海町高原美術館」

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